芹沢くんの秘密。


「やっぱり宗介だ!アホ面とかやめてよっ」


「お前…アホ面してるとこは否定しないのな。」


こいつは、クラスメイトで友達の西野宗介。
幼馴染…というより、ただの腐れ縁だと思う。

家が近くて、たまたま学力レベルも一緒ぐらいで、高校までずっと一緒の学校に通ってきた。



「お前ら、ほんと仲いいよな」


隣で苦笑しているのは、同じく横上宇(よこうえ そら)。

宇は、わたしや宗介とは違って、萌のように秀才で運動もできて、顔も良くて…という選ばれた人間である。


でも、ひとつだけ、報われないことがあった。



「おはよ、萌。こいつら朝から元気だよな」



宇は萌のことが好きらしい。

これは宗介から聞いた。
宗介はサッカー部で、萌と一ノ瀬先輩の関係も知っている。


こっちからしたら、ものすごく複雑な気持ちだ。


わたしとしては、萌と宇、くっついてほしいっていう気持ちもある。

でも、萌は一ノ瀬先輩にゾッコンなのだ。


「ふふ、そうだね」


萌は宇に対して、いまのところは友達という感覚しか持っていない。


萌は肝心なところで鈍感なのだ。



「おーい、席つけ。HRを始める」



盛り上がってたところで担任が入ってきて解散となった。


はあ、まだ月曜日かぁ。

早く金曜日にならないかな。



< 6 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop