ぐっど さまー
あたしが一番近いんだと思ってた。
「ね、えっ!夏樹…。話いい?」
夏樹?呼び捨て……?
話しかけてきたのは華奢で色白で
フワフワの髪が似合うお姫様。
学校でも王子様とお姫様って騒がれてた。
もちろん、王子様は夏樹で。
その二人が並ぶとお似合いで、
私はその場に居たくなくなって逃げた。
後ろで夏樹が私を呼んでたけど
聞こえないフリをして。
そのまま家まで走って走って。
自分の部屋で泣いた。
もう、泣かないって決めたのに。
夏樹の好きな人になりたい。
あの子と付き合うのかな……?
あたしじゃ、だめなのかな?