ハートをはんぶんこ。 ~時にすれ違うハートの行方~
その後もいっぱいデートをした。
周りから見れば恋人に見えるだろう2人。
でも、本当は不倫。
だけどね、『愛人』って言葉だけは使いたくなかった。
河村君はあくまでも『彼氏』だと。
まぁ、男の人を『愛人』ってあまり言わないよね(>▽<;;
なんだろう?『浮気相手?』

デートは人目につかないところなんて思いながらも、
普通に居酒屋に行ったり、ゲーセンに行ったり、ファミレスに行ったり。
でも、堂々と腕を組んで歩きたくてちょっと遠出したね。
そして兄妹に間違えられた(笑)
しかも4つも年上のあたしが妹???

そこでペアリングを買ったね。
左手には結婚指輪をはめてなくちゃいけなかったから、右手の薬指に。
あたしたちはまた『彼女と彼』らしくなった気がした。

常に右手の薬指に指輪をはめ、一緒に撮ったプリクラをこっそりと持ち歩いていた。
河村君の車のバックミラーにはあたしとのプリクラが貼られていた。
お揃いのドリンクホルダー。
あたしはどんどん本気になっていった。

でもデートするたびに怖かった。
あたしだけが本気だったらどうしようって。
河村君にとってあたしは『彼女』だけど、どこまで河村君は本気なんだろう?
だからあたしも『本気』を見せずにいた。
河村君は親に訳ありの借金があって返済してるからあまり自由になるお金がない。
でも、あたしは逢いたいからデート代を出してでも逢っていた。
だからこそ、利用されてる?遊ばれてる?って思ったのかもしれない。
だけど、デートをしないではいられなかったの。
逢わずにはいられなかった。
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