ハートをはんぶんこ。 ~時にすれ違うハートの行方~
実は離婚は考えてた。
真剣に海斗と付き合いたかったから。
海斗と一緒に暮らしたかった。

何度も2人で泣いたよね。
『もっと早く出逢ってたら』って。

『俺が別れるっていえば桃子は家庭に帰れるんだよね』

あたしも海斗のコトを思って
『あたしみたいな人妻と付き合ってるより、普通の女の子と付き合ったほうが海斗は幸せになれる…』

でも2人で泣き出した。

『別れたくない』

はっきりと海斗が言ってくれた。
泣きながら。
初めてそのとき海斗の涙を見た。
あたしも泣いた。

『あたしだって無理。離れられない』

そして別れられないままずっと2人の関係は続いた。

でも、海斗からは『俺の最後の女になる?俺の金が貯まるのを待つ?』って言われていた。そう、プロボーズ?って思うような台詞。

2人でどれだけの収入があれば生活できれば計算したよね。
それで海斗の車を買い換えるか決めたんだよね。
でも、予想外に早い発覚。

あたしたちはまだ貯金さえ始められてなかったのに。
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