ハートをはんぶんこ。 ~時にすれ違うハートの行方~
あたしは仕方なく旦那に電話した。

『すごい激痛なんだけど、近くまでは来てるけど、これ以上は運転無理。迎えに来て』

寝ていた旦那は『近くまで来てるなら帰ってきな』

ヾ(・・;)ォィォィ
運転できないって言ってるだろう?

あたしは気力で家まで帰った。

そして旦那に頼んだ。
『病院に連れて行って』

『はぁ?今から?トイレ行ってくれば?』

あたしは言葉を失った。
やっぱりこの人は冷たい人だ。
本当に困ったときは頼りにならない。
頼れない。

鎮痛剤を飲み、とりあえず寝た。
朝起きると旦那の姿はなく既に出勤済み。
『大丈夫?』のメールもなし。

仕方なくタクシーで病院へ。

診断。
『急性虫垂炎』
盲腸…。
あたしは慢性盲腸なんだよね。
今回も切るまでは行かず、薬で散らすことに。

帰ってきて旦那にメール。
反応なし。

仕事から帰って来た旦那に
『明日は幼稚園の入園手続で、あたしは盲腸散らしたばかりでいけないから代わりに言って欲しいんだけど、無理?』
返事なし。

朝起きるとまたいない。
既に出勤済み。
メールを送ると『無理だよ』の一言。
本当は無理なのはわかっている。
男の人はきっと簡単に仕事を休めない。
あたしだってバイトを休むとなったら色々と大変。
でもね、病気になった時くらいちょっとは気にして欲しかった。
一緒に考えて欲しかった。
2人の子供のことだから。

『優しさに欠けてたからチャンスをちょうだい』

『離婚したい』と言ったあたしにそう言った数日後にこの態度。
さすがに限界だった…。

結局、あたしは痛いのを我慢して息子を抱っこ。
お姉ちゃんの手をつなぎ、雨の中、幼稚園へ。
先生が顔色が悪いって気付いてくれて、急いで処理だけして帰宅できることに。
本当は子供が遊んだりできるんだけどね。

家に着くともう動けない。

もう限界。
海斗に速攻、電話しちゃった。
全部話すと海斗は言った。

『もういいよ。そんなヤツ、桃子、俺のところおいで』

あたしは本気で離婚を決意した。
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