ハートをはんぶんこ。 ~時にすれ違うハートの行方~
第5章 同棲。

パパ。

引越し先のアパートに少しずつ海斗の荷物も運び込まれ、
海斗との新しい生活が始まった。

海斗もあたしもバイト。

あたしは子供を保育園に預けるまでの間、店長に事情を話してシフトを夜中に変えてもらった。

海斗とはすれ違いの生活になったけど、それでも一緒に暮らしていることが嬉しかった。

海斗のためにご飯を作る。

料理嫌いのあたしには考えられないくらい楽しいことだった。

レパートリーも少なくてそんなに上手に作れないのに

『おいしいよ』

っていつも食べてくれた。

海斗は23時過ぎに帰って来るのでほとんど子供と顔をあわせることがない。

でもね、休みの日。
子供が海斗を『パパ』って呼んだの。

2歳と3歳の子供だからわけがわからなかったのかな?
でも、3歳の娘は

『新しいパパが新しいおうちを見つけてくれた』

って大人がビックリするような発言もしていた。

ねぇ、海斗。

パパって呼ばれてどんな感じ?
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