ハートをはんぶんこ。 ~時にすれ違うハートの行方~
第3章 彼女と彼。

デート

あたしと河村君は週に1回は必ずデートをするようになった。
河村君はバイトを掛け持ちしていて、月曜日が完全な休み。
だからあたしも月曜日はお休みにしていろんな理由つけて外出したの。

それ以外でも河村君のバイトとバイトの間の時間にご飯食べたり、車で喋ったり。
そんな風に2人の時間を作っていた。

仲良くなって2人は結ばれた。
河村君の部屋で。
結構、そういう仲になるのは早かったかもしれない。
不器用なキス。
慣れない手つき。
それでもあたしを優しく抱いてくれた。

でもね、あたしたちどんな関係?
あたしは人妻。
もしかして遊び相手?
ただのセフレ?
暇つぶし?
なんだろう?
あたしの中で不安が過ぎった。

でも、河村君も同じだった。
あたしが本気なのか遊びなのか。
何を考えてるのか?
どうせすぐに家庭に戻っていくんだろう。
短い恋になるだろうって。

あたしは河村君に聞いた。
あるファミレスでご飯を食べようとしている時に。

『ねぇ?あたしたちってどういう関係?』

『あ…、彼女と彼氏?』

『でも、付き合ってくださいって言われてないよ』

『じゃぁ、付き合ってください』

河村君にしたら『人妻に普通付き合ってくださいって言う?』って感じだったみたい。
それはそうだよね。
でも、あたしたちはこうして『彼女と彼』になった。
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