チャラ男くんの忠実なる犬
昼休み。


屋上から、サボり場所を
裏庭へと変えた欄のところにやって来た。


麗奈がセツナのとこに行ったから。


「欄ー。」


「セツナに麗奈とられたか?」


「うん。」


「あはは。かわいそ。」


タバコ片手に欄は笑った。


「ねえ、今日ね教育実習の先生が来たんだよ。」


「あー。らしいね。」


「浅井美香先生。
すっごい美人なのー。」

「へえ。」


「男子たちなんかさー
鼻の下伸ばしっぱなし。
欄もそーゆう美人の人が好きなんでしょう?」



「ふーん。」


「ちょっと!欄聞いてる?」


「え?あ…わりい。何?」

欄の様子がへん。


なんか元気ない。


「欄。なんかあった?」


「あーいや。なんも。」


嘘だ。


欄が、変。



なんでそんな悲しい顔してるの?





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