チャラ男くんの忠実なる犬
「はよ~って華!
顔酷いじゃない!!」


そりゃあそうだよ。
一晩中泣いてたから。


「アハハ。お化けみたいでしょ?」


「しっかりして!
何があったの!」


「あのね。私…「櫻井さーん!」


話そうとした時、
今一番会いたくない人に会ってしまった。


「美香…先生。」


「櫻井さん、資料持ってる?」


あ…忘れてた。
昨日きみ先生に言われて
渡し忘れたんだ。


「あ、すみません!
すっかり忘れてて。
はい。」


「ありがとー。
朝の会議で使うのよー。」


「すみません。すっかり忘れてて。」


「いいのいいの!」


美香先生と欄は付き合ってた。


セツナが言った言葉が頭によぎる。


「美香先生。」


「なあに?」


「そのピアス可愛いですね。」


「あ、これ。昔もらったの。」


「欄に?」


性格悪いよな。


私。


でもね、どうしようもないくらい嫉妬しちゃうの。


だってさ、美香先生のピアス。

欄と一緒。


「昔ね。」


美香先生は耳元でそう言った。


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