チャラ男くんの忠実なる犬
放課後。

「華、帰ろ。」


普通の顔して、私にそう言った欄。


何で?


美香先生が好きなんでしょ?


「……。」


「華?何だよ。泣きそうな顔して。」


「辞める。」


「は?」


「犬。辞める!
もうアンタなんかの犬なんか辞める!」


「何いってんの?」


ぐっと私の腕を掴んで
眉間にシワを寄せた。


「好きだからだよ!
辛いんだよ!側にいるのが!」



欄の腕を払って私は、
走った。





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