チャラ男くんの忠実なる犬
家を出てからも、
欄は理斗の話題をずっとしていた。


バスで、神社につくと
初詣の人たちで賑わっていた。


「スッゴイ人。」


「はぐれんなよ。
華ちっこいから。」


「むーッッ!ちっこいとか言わないで!!」


「アハハ。ごめんな。
ほら、行くよ。」


きゅっと握られた手が
すっごくあったかい。


「ねえ、欄。」


「んー?」


「何をお願いするの?」


「秘密ー。」


「何でー!!」


「じゃあ華は?」


「そりゃあ勿論……
言わないよ!」


「じゃあ同時に言おうよ。」


「うん、いいよ。」



欄は何を言うんだろうな。


「しっかし、すっげえ人だなー。参拝すんのに並ばなきゃだな。」


「うん。へっくしッッ!」


「ぷッッ…可愛いくしゃみ。」


「……ッッ//」


寒いんだもん。


「風邪引いたら困るし。」


そう言いながら、
欄がつけてたマフラーを
私に巻いた。


「ぐるぐる巻き…」


顔がうまるよ~


「ハハハッッ雪だるまみてえだな。」


「んも~笑わないでー!」

「可愛い可愛い。」


今日の欄はずっと笑ってるね。


笑った顔が一番好きだ。



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