チャラ男くんの忠実なる犬
ビルの中にある事務所。


中に入ると…


「んぎゃああっ!!
ぎゃああああ~」


赤ちゃんの鳴き声がした。


「真琴さんー。」


「あーっ!蘭くん、わんこ!来たわね!」


真琴さんは、私をわんこと呼ぶ。


「えっ!真琴さん隠し子!?」


真琴さんの腕の中には、
小さな赤ちゃんがいた。


「違うわよ。
姉の子なんだけれど、泣き止まなくて。どうにかしてくんない?」


「どうにかって…」


「姉は、今旦那と旅行中でいないし。
アタシも今から、打ち合わせに行かなきゃならないの。アンタたち頼んだ!」


「うぉっ!」


ひょいっと赤ちゃんを
蘭に渡した真琴さん。


「ひっ…ひく…ぎゃあああ~」


あ~あ…


「蘭、貸して?」


首が座らない赤ちゃんは、ちゃんと首を支えなきゃ。


私が抱っこすると
ピタリと泣き止んだ。


「あら、泣き止んだ。」


「お~華すげ。」


「いとこに赤ちゃんがいるから。」


もう少しおっきかったけど。



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