偽りの翼Ⅰ
1時間目。
私はたくさんの不安をかかえながら
屋上に向かった。
ギィィィィ
重たい扉を開ける。
「よぉ。」
そこには1人すわりこんでいる裕翔がいた。
「話ってさ、なに?」
どうか、昨日のことじゃありませんように。
バレて、いませんように。
「お前、昨日の夜どこにいた?」
裕翔から放たれた言葉は
私の願いをすぐに打ち破った。
昨日の夜…………。
「家に、いたよ…?」
咄嗟に嘘をつく。
やっぱりバレたのかもしれない…。
「家?」