偽りの翼Ⅰ
〜放課後〜
「花恋、行くぞ。」
「うんっ」
「乗って」
あれ?今日裕翔バイクで来てたの?
「失礼しま〜す」
「これ、かぶれ。」
そう渡されたのはヘルメット。
「出るぞ。」
ブゥゥゥゥゥゥゥン
バイクに乗ったのはいつぶりだろう。
懐かしいな………。
桜風にいた時もこんなふうに透の後ろに乗った。
風を切るのはこんなにも気持ちいい。
忘れてたな…。
「こっから15分ぐらいだから。」
意外と近いんだな。
裕翔の背中はなんだか懐かしさを感じる。
そんな背中に顔を埋め私は目を閉じた。