偽りの翼Ⅰ
「なあ、透。朝から言うの、ちょっと悩んだんだけどさ。」
とても真剣な顔でそういう翔。
「どうした?」
「アイツ…。花恋、月影の姫になったらしいんだ。」
花恋が月影の姫に?
なんの、ために?
……いや、そんなの俺達には関係ない。
「そうか。」
俺はただ一言そう言うと由美香の元へ向かった。
花恋が月影の姫になったのは、
少し厄介だったりする。
もしかしたら、月影に俺らの情報を与えているかもしれない。