偽りの翼Ⅰ
「あ、おい。透っ」
後ろから、俺を呼び止める翔。
「まだなにかあんのか?」
「今日、お前の母さん来るって。」
母さんが………?
「どういうことだ?」
「いや、わかんねーけど。朝、電話あったらしーぞ?」
母さんは1年ほど前にアメリカに行っていた。
「今日帰国するってことか?」
「さあな、多分。」
なんのために?
あーもう、またわけわからなくなった。
「母さんか…久しぶりだな。」
そうだ、今日の夢のこと聞いてみようかな。