偽りの翼Ⅰ
…………それでも俺は花恋が好きだった。
初恋ってやつ。
花恋はいじめなんてするやつじゃない。
最近俺は由美香は嘘をついていたんじゃないかって思ってる。
「影を舞う蝶…」
アイツは俺らが桜風を追い出してから
変わってしまった。
「なに?花恋ちゃんのこと、考えてるの?」
由美香は心配そうにそう言う。
「あ、いや。なんでもねぇよ。」
あいつは俺を変えてくれたのに、俺はあいつを突き放した。
――俺は、いつでも同じことを繰り返す