偽りの翼Ⅰ
「ふふっ、千尋くんが作ってくれたからきっと、美味しさ倍増なんだねっ」
「んなことないよ。ほら、早く食べて?
料理、特訓しよう?」
特訓………かぁ。
何するのかな。
わ。私、包丁握ったことないし。
「ねぇ、千尋くん!何つくるのっ!?」
「なにがいい?」
千尋くんは微笑んでいる。
「えっと……お味噌汁、とか?」
「ぶっ!お味噌汁って!」
千尋くんは噴き出した。
「な、なんで笑うのよー!」
「ごめんごめんっ、じゃあ味噌汁作ろう?」