偽りの翼Ⅰ
「え、普通にだよ?」
千尋くんは、当たり前だろと言わんばかりに見てくるけど…
普通って、なに。
「し、絞るの?」
「え?絞るって…ふはっ」
違うの…?
「絞らないの?」
「はは、絞らないよ。ただお湯に煮干しを入れるだけ!」
そうなんだ、よかった絞らなくて。
「ねえ、花恋ちゃんほんとに料理できないんだね。」
千尋くんにそう言われると少し癪に障るけど、否定できない…。
「最初に言ったじゃない。」
少しムスッとした声でそう言うと
「はは、怒らないでよー。」
にこやかにそう返された。