偽りの翼Ⅰ
「だだだだって!お腹壊しちゃうかもしれないよ!?」
「なんで?俺が一緒に作ったんだよ?大丈夫、その心配はない!」
そうだ、千尋くんも一緒に作ったんだ。
こんなこと言うのは千尋くんに失礼だよね…。
でも、手料理をもてなすなんて
私にはハードルが高い!
味に自信がないとかじゃなくて、
目の前で自分の料理を食べてもらうなんて…!!
「恥ずかしいよ…なんだか。しかも!みんなとは昨日あったばかりだよ!?」
千尋くんは一度不思議そうに首を傾げ、
何かを考えるように下を向いた。
「そういえば、そうだね。そんな感じしないや!」
顔を上げあはは、と笑う千尋くん。