偽りの翼Ⅰ
「ね?だからさ、もっと練習してみんなと打ち解けた頃豪勢な料理を振舞いたいのっ!」
言い訳と少しの本音。
彼には届いたかな…
「うーん……。じゃあ、そうしよう。」
やった!彼に私の気持ちは伝わった!
「でも!」
この先に続く言葉によって、喜んで舞い上がった私の心は一瞬で散っていくこととなる。
「これから毎日、朝ごはんは花恋ちゃんに作ってもらうからね!」
……………
「はあ!?」
それって結局今さっきの状況とかわらなくない?
むしろ、それよりかひどくない?
「むっむ、無理ぃぃぃ!」
「んー、でもお手伝いくらい…。」
つぶやいた千尋くんの言葉に気づかされる。
そうだ、姫だからって何もしないわけにはいかない
と。
「朝ごはんのほうが作るの簡単だと思うんだよね〜」
チラリとコチラに視線を向ける千尋くん。
その目は、
やるよね?
と、少し殺気立った威圧するような目だった。