偽りの翼Ⅰ
「え?ああ、うん。」
私の勢いが強すぎて少しびっくりしたような優真。
「よかったぁ!」
でも、そんなことより自分が作った料理を褒められて嬉しい私。
「ね?だから言ったでしょ!花恋ちゃん!」
千尋くんは、笑顔でそう言う。
「うんっ」
よかった。まずくなくて。
「さぁ、そろそろみんなも降りてくるでしょ。」
「そうだね!」
「あ、ほら降りてきた。」
トントントン
ほんとうだ。
階段を降りる音が聞こえる。
「おはよ、陽翔。」
降りてきたのは印象的な赤髪の陽翔だった。