偽りの翼Ⅰ
「ほら、行こうぜー?」
誰がお前なんかについていくか。
「ねえ、アンタさ。……華楼って言えば、わかる?」
そう言えば、ほら。
「お、お前!華楼なのか!?ひ、ひぃぃっすいませんでしたぁぁ!」
こう反応するんだ。
花恋……蝶鬼とつるむようになってから私は、…華楼はこの場所の有名人となった。
そして、誰からも恐れられる存在となった。
「あんなに怖がらなくたって、いいのに…。」
こんなに怖がられるようになっちゃったけど、花恋に出会えてよかったと思う。
一人だった私を、こんなに汚れきった私を
認めてくれたから。