偽りの翼Ⅰ
―そして今に至る。
私は繁華街に向かう準備をした。
繁華街はいつものように人で溢れ返り賑わっていた。
そして、私は繁華街から1歩外れた路地裏に入って行った。
「お前か、"影を舞う蝶"ってのは」
「だったら何?」
「ご相手願おうか。」
「いいけど。」
ボコッ
「弱いね、あんた。」
すぐに殴った。喧嘩に待ったなんて無し。
「強ぇ―…。」
いや、あんたが弱いんだけどね…?
「話になんない、もっと強くなってから喧嘩売りに来れば?」
「……〜。」
その男は唇を噛みしめ、悔しそうに俯いた。
「じゃあ、またね。強くなってから喧嘩売りに来な」
私はそう言い残して男の横を通り過ぎた。