偽りの翼Ⅰ
「何?どうかしたの?」
可笑しそうに笑う桜田由美香
「驚いた?私がこんなんで。ついでにもういっこ驚く情報教えてあげるよ!あははっ」
なんだ…?
「私は陽蘭の総長。花恋をさらったのはわ・た・し!キャハハハハハ!」
俺の唇に人差し指をおいてそう言うアイツは女の皮を被った化物のようだった
コイツが陽蘭の総長なんて初めて聞いたぞ
裕翔のほうをチラッと見ると裕翔もこちらを見ていた
でも、待てよ?
「じゃあなんで桜風の姫なんかやってんだよ?」
「んーなんだろう?気まぐれかなぁー。やりたくなったからやったの、ただそれだけ!」
「とんでもねーお嬢様だ。」
「でも、なんで花恋ちゃんを誘拐したんだ?」
俺は、疑問を口にした。
今までの話から誘拐までの経緯が全くわからないから
まさか、気まぐれで誘拐したなんて言わねえよな?
「千尋、それは多分…花恋が元桜風の姫だったからだ」
「え?」