偽りの翼Ⅰ
バイクの音が消えると遠くから何か会話が聞こえた
「あんたら、あの女を助けに来たの?」
ほら、やっぱり。
「ああ。花恋を、助けに来た。」
千尋くんの声がする。
「花恋、どういうこと?」
雅は何がなんだかわからない、って顔をしてる
「助けにきてくれたの。月影…がね。」
そう言うと雅は驚いたように
「え!あの月影!?」
「そう。」
「なんで??どういう関係なの?!」
興奮しているのか、だんだん声が大きくなっている雅。
深呼吸をする
「私ね、月影の姫なの。」
「ええええええええええええ!!」
「しっ!雅さっきから声でかすぎ!」
「ごめんっ、でも、驚くよね?」
まあ、驚くよね。
「なんでっなんで?いつからなのー?」
誘拐されてることも忘れてはしゃぐ雅。