偽りの翼Ⅰ
翌日、学校に行くと。
「ねぇ、如月さん。あなた…"影を舞う蝶"なんですって?」
この女…
なんで知ってるの?!
「見た人がいるのよ、あなたが繁華街の路地裏で喧嘩しているのを。」
ああ、そういうこと。別にどうでもいい。
「へえ、だから?私が影を舞う蝶だけど?」
「やっぱり…。
ねぇ、如月さん。これを学校に提出した らどうなるかしら…?」
ひらひらと私が喧嘩をしている様子が写し出された写真を見せた。
こいつ…。提出する気か…。
「退学じゃん?だから、何?別に提出すれば??」
「…っ!!」
その女は悔しそうに下唇を噛んだ。
「はーい、ストップー」
後ろからだろうか。そんな声が聞こえてきた。
この声、聞いたことある…。
「ダメー、こいつは俺と学校で勉強しなきゃ行けねーの。」
「はい、没収。」
「ゆっ裕翔??」
裕翔は女から写真を取り上げてビリビリに破ってゴミ箱に捨てた。
「だっ、誰よあんた!!この女の味方するなんてどうかしてんじゃないの!?」
その女はヒステリックに叫んだ。
「俺は、佐渡裕翔。ここのクラスね。」
「はあっ!?ここのクラスですって?一回も見たことないんだけど!!」
「そりゃそーだろ。初めて来たし。
あと、俺は別におかしくねーよ?」
「あなた…、如月さんのこと知らないの?この最低女の話。」