偽りの翼Ⅰ 




この日、由美香は倉庫に来なかった。




「なあ、由美香なんでいねぇんだ?」



この時は思ってなかった。



あんなことになるなんて……――――








「まさか、なあ?透…?」



違うよな?と云うように問いかけてくる翔。



「いや、わかんねえ……」



いつもは笑顔で俺のところに来る由美香。



毎日毎日うざいぐらい、聞こえるあの声。





「俺、ちょっと外行くわ」



そう言って立ち上がったのは優太。




「どこ行くんだ?」



「コンビニ」



「そっか」




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