偽りの翼Ⅰ 




「用があんのはあんたじゃない」







由美香はそう、きっぱりと言い放った






声がもう、さっきまでの原型を保っていない。





「俺じゃないって…?」




「私、間違えてたわ。透は関係無かった」



「は?」



「あんた、思い出したでしょ?…記憶」




記憶ってなんだ?




もしかして…あの事件のことか?




「なんでお前が知ってんだ?」




「ああ、やっぱり思い出したんだね」




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