偽りの翼Ⅰ
「その時に気づいたってことか」
「うん。…私ねバカだからさお父さんがいないのは手紙に書いてあるこいつらのせいなんだって思ってた。
だからね、高校で名前を見つけた時は嬉しくて。復讐をしようと毎日考えてた」
「………………」
「透、ごめん。私転校することになったよ。陽蘭の総長もやめる。…ほんとはね、今日悪役を突き通すつもりだった。でも、だめだね。出来なかった。」
由美香…
「転校って、どこに?」
「陽光学園」
「陽光学園って……」
確か…
「南町のだよ」
ここから、20分かかる。
あそこまで行くのか。
「お父さんがね、やり直したいって。家族みんなで。」
やり直す、か。
「私は、透に近づいて復讐ばかり考えてた。………だけどね、透のこと途中からだけど……………………好きだったよ。」