偽りの翼Ⅰ 



そうか、そうなんだ。




確かに、愛は存在してた。




「ありがとう…」




「透、ごめんね。私、もっとまともになって帰ってくる。また会いに来るね」



涙がひと粒、ゆみかの頬に流れ落ちた





「ああ。…待ってる」




「じゃあね、透。」




「ああ。」



由美香はまっすぐ歩いて行った




一回も、振り返らずに。









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