偽りの翼Ⅰ
そして、あの悪夢は起きた。
「出てけ、お前はもう桜風の人間じゃない」
透……。
「あのさ、早く出てってよ。」
私何かしちゃった…?
「あー…ほんとに勘弁して。もう、顔も見たくないんだよね。」
どうして…
「もう、無理なんだよ。」
何が、無理なの?
「みんな、待ってよ、私何にもしてないよ…!?」
「嘘ついてんじゃねーよ」
「嘘なんてッ『みんなぁっ、怖かったよー…。』
そして―――
「ふふっ」
みんなにバレないように笑う、由美香。
嘘付いてるのはこの子じゃない。
私、みんなのこと信じてたのに…。
みんなは私の事信じてくれないんだね…。