偽りの翼Ⅰ
それから、私達は学校から出た。
「花恋、俺明日からちゃんと学校行くからさ。」
「裕翔…、ほんとにありがとう。」
「花恋が一人になっていじめられたら大変だからな。」
「……バカ裕翔。」
私、いじめられたりしないよ?
私、喧嘩ばかりしてるんだから…。
そうだ、私。まだ裕翔に話してないことがある。
きっと、あの時裕翔に聞かれてないよね…
けど、今はまだ、隠しておきたい。
「俺は馬鹿じゃねーよ。お前のためだ。」
まだ、裕翔と楽しい時間を過ごしていたい。
ねぇ、裕翔。ありがとう…。
感謝しても足りないね。