偽りの翼Ⅰ
「花恋こそ、なんでここにいんの?」
そう聞くと、花恋は
「友達がいないから。」
と言った。
いやいや。会話になってねぇし。
ここにいる理由が、友達がいないからって(笑)
おかしいだろーよ。
でも、そんなお前だから。
俺はお前と話せるんだと思う。
「花恋っていわゆるぼっちか…?」
こんなにかわいいのに。
友達ができねーのか?
いや、かわいいのは関係ねーか。
きっとこいつも。
何かを抱えているんだろうな。
「なんで友達いねーの?」
素直に出た言葉だった。
「いつか、知ることになるよ。この学校にいればね。」
花恋は寂しそうに笑った。
そうか、学校で何かあったのか。
ぼっちの理由も、寂しそうに笑った理由も。
そこにあるんだよな?
お前も、きっと。
俺と同じような傷を抱えているんだな。