偽りの翼Ⅰ
「ふーん。そっか。」
そう言った彼女の眼は揺れていて。
今にも泣きそうな顔だった。
「なんだ、お前も行くか?」
心配になった俺はそう聞いたが、
「んーん。大丈夫。私もこれから用事があるんだ。」
と、言われた。
「じゃあ、またね!」
そう言って帰ろうとした彼女を俺は引き止めた。
「お前、携帯持ってるか?アドレス交換しよーぜ?友達だしな!」
俺は、またお前と話したいと思ってアドレスを交換した。
花恋の顔はとても嬉しそうだった。
「いつでもメールしてこいよ!」
そう言うと、花恋は
「うんっ!裕翔ありがとー!」
泣きそうになりながらそう言った。
そして、今度こそ花恋は帰って言った。