偽りの翼Ⅰ 


俺が今日やけにニヤニヤしている理由はきっと―――――。  


花恋と会ったからなんだろうな。


「なあ、裕翔…?お前、ほんと大丈夫か?一人でニヤニヤ…キモいぞ?」


優太に言われた。


「なっ!お前キモいって!ひどくね!?」


「いや、だってほんとだし。」


お前なぁ…、さすがにひどくね??


「今日、なんかあったのか?」


陽翔が聞いてきた。


「や、まあ。」


少し気恥ずかしくなったので曖昧に答えた。


「うわぁ、なんかやっぱキモい…。裕翔がそんなこと言うなんて何があったんだ!?」


俺が気恥ずかしくなるのってそんなに珍しいのか?


なんか、失礼な奴らだな。


「だあー!なんもねーよ!
 あったとしても教えてやんねー!」


「うわぁ、聞いた?裕翔がキレてるよ?」


「なっ!何があったんだろーな?」


「あ、あれじゃね?彼女できたとか?」


「いやー、それはないだろ(笑)」

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