偽りの翼Ⅰ
そしたら女は黙り込んでしまった。
俺は怒り任せに怒鳴ってしまった。
「なんだよ、黙り込んでんじゃねーよ!」
なんで、黙り込むんだよ!
お前ら、気づいてなかったのか?
自分たちがいじめていたことに。
こいつら、話にならねぇ。
「裕翔…、それくらいにして…」
花恋が、俺の怒りを沈めるように言ってきた。
我に返った俺は、
「花恋、行くぞ。」
花恋の手を引っ張って空き教室に向かった。
「裕翔、ありがとう…」
そう呟いた花恋は今にも消えそうだった…。