偽りの翼Ⅰ
花恋…、お前に何があったんだ?
「花恋、話を、聞かせてくれねーか。」
空き教室に入ると、俺は気になることを聞いてみた。
「うん…。」
花恋は苦しそうに顔を歪ませて呟いた。
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花恋が話してくれたのは、
俺が思った以上に辛い出来事だった。
信じてた奴らからの裏切り。
「もう、大丈夫だ…。俺は裏切らねーよ。」
「裕、翔っっ …ありがとう。」
花恋は安心したようにそう言った。
"大丈夫だ"
きっと、あいつが1番欲しかった言葉…。
1つ、しっかり確かめなきゃいけないことがある。
「なあ、花恋…。1つ聞いてもいいか…?」
お前が本当にいじめをしてないという事実…。
「うん…。」
「その、由美香って奴が嘘をついてるんだよな?お前は嘘をついてないんだよな?」
「私はっ…嘘なんてついてないよッ」
……あいつはそう言ったんだ。
信じてやらなきゃいけねぇ。
「ん。分かった、俺はお前を信じるよ。」
こんな顔で訴えかけられちゃあ、信じるだろ、普通。
今にも泣きそうな顔してんじゃねーか。