偽りの翼Ⅰ
ある時、副総長の翔に
「お前、最近どうしたんだ?ぼーっとしすぎじゃね??てゆーか、恋?透、あの女のことよく見てるよな。」
そう言って翔は花恋という女を指差した。
俺は恥ずかしくなって
「み、見てねぇ!!俺は、ただ…外を、そうだ!外を見てただけなんだ!」
「だから…、ほら!あそこにいるじゃねえか。あの女がいるから見てんじゃねーの?」
「俺は、別に…お、女には興味がねえから。」
悟られないようにと嘘をついてしまった。
よくよく見ると、木陰のベンチに座って話すあの女がいた。
俺やっぱあいつのこと見てたのかな。
やべぇ、記憶がねえ。
「あー、もういいや。お前やっぱり、てか絶対あの女のこと好きだろ。」
翔は俺にそう言った。
正直俺は恋なんてしたことなかったからいざそう言われてみるとこれは恋なのかと考えてしまう。
けどまあ、恋だと思っている。
だから俺は翔に打ち明けた。