偽りの翼Ⅰ
すべて話すと翔はクククッと笑った。
「お前も普通な高校生だなー」
そう言いながら。
「今までよ、女なんか嫌いでさ、告られてもがん無視とかしてたのに?」
そんなひどかったか?俺。
てか、失礼だな!
「そんな奴が階段で一目惚れかよっっ!」
そんな奴って言い方ひどいな〜…
「まあ、いいんじゃねーか。好きだと思ったらそれが恋だしな!カレンちゃんだっけ?とりあえず頑張れよ!」
頑張るっつってもな…
なんもすることねぇよな。
あっちはもう俺のことなんか覚えてないだろうし。
でも、あいつを見てたら気づいたことがひとつある。
あいつ、いつも一人なんだよな。
俺はあいつに何をしてあげられるんだ?
そんなことを考えてた矢先に起きたのがあいつの両親の交通事故だ。
あいつは学校には来てるものの、元気はない。誰とも喋らないし、授業中も上の空だ。
そして俺が出した答えが
如月花恋を俺ら桜風に入れることだ。
そうすれば、あいつが少しでも笑える。そしてあいつのすべてを守りたいという俺の願いもかなえられるかもしれねえ。
だけど…それは間違っていたのかな。