偽りの翼Ⅰ 



最初は順調に花恋も桜風という族に慣れていった。


そして花恋と俺は付き合うことになり毎日が幸せにありふれていたんだ。


ある時俺は桜田由美香、という女に話しかけられた。


「ねえ、私桜風に入りたいんだけど。」


由美香はそう言った。  



別に桜風に姫は二人もいらないし、俺はこんな奴必要ないと思った。  


でも、ふと思いついたんだ。


――こいつが姫になれば花恋に友達が出来る。



そんなことを思った俺は由美香を姫にすることに決めたんだ。


 


「今日から姫が二人になる。」


みんなの顔はそれぞれで。


驚いてる奴もいれば嬉しがってる奴もいて。


花恋は口を開けてポカーンとしていた。


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