偽りの翼Ⅰ
俺は何事もなく平和に時が過ぎていると思ってた。
でも、何があるかわからないものだな。
「ねえ、透ぅー…花恋ちゃんがあたしのことぉ、ずっと悪口言ってくるのぉ。ヒック、私なにかしちゃったのかなぁ…」
由美香が突然俺に相談してきた。
しかも泣きながら。
「さっきもね?あたしの足引っ掛けてきて…トイレのところでぇ。ほらぁ。見て?」
由美香は怪我をしていた。擦り傷というべきかな。
これ、本当に花恋がやったのか?
花恋はそんなことをするようなやつだったのか?
「由美香、しばらく様子を見させてくれ。」
由美香は涙目で俺を見た。
「うん、わかった…。」
今は様子を見てみよう。