偽りの翼Ⅰ
女の人も私を見て眼をうるうるさせている。
「ねぇ、その女の人嫌がってるよ?」
「うるせーな!いーんだよっ!お前には関係ねーだろ!」
この二人なんかあるな。
知り合いだ、きっと。
「はぁ。」
「何テメーため息ついてやがんだ!さっさとどっかいけ!」
私はおねーさんの方を見た。
そして口で
ウ・シ・ロ・ニ・サ・ガ・ッ・テ
と言った。
おねーさんは頷いた。
「ねぇ、オニーサン。」
ドゴっ
そう呼んだ瞬間、オニーサンを蹴っ飛ばした。
見事に的中しオニーサンは、空を舞った。