偽りの翼Ⅰ
今では私のパートナーになった。
夜の繁華街の路地裏。
雅は、"華楼"と呼ばれるようになっていた。
「なぁ、そこの二人。」
後ろから、男の声がした。
「なんですか?」
そう振り返ると
「………え?」
そこに居たのは、男3人と裕翔だった。
「おい、お前、影を舞う蝶か?」
冷たい目、口調で淡々と喋る裕翔。
ああ、そっか。髪がショートだから私だってわからないのか。
私が影を舞う蝶だってこと、裕翔は知らないんだ。
「…そうですけど。」
だったら、このまま裕翔には知られたくない。
だって、影を舞う蝶の噂は最悪。