偽りの翼Ⅰ
冷酷の星。それは彼らの強さから来ている。
流れ星のような素早いパンチ、有無を言わさないその雰囲気から来ているそうだ。
その総長が裕翔なんて信じられない…。
「行くぞ。」
裕翔が仲間と共に去っていく。
彼の背中はどんどん小さくなっていく。
「ねえ、花恋。どうしたの?」
「今の、私の友達なの。」
「え!?でも、あっちは気づいてない様子だったけど。」
そーだよね。
気づくはずないよ。
「…ウィッグしてるからかな。」
「ウィッグ?」
驚きで目が点になる雅。
「花恋ってウィッグしてたのぉー!?」
そして、叫ぶ。
あれ?言ってなかったっけ?
「してるよ?」