手の甲を切ってしまった日
北海道には劣るが豪雪地として有名な県に住んでいる。
中学は本当は2クラスのクラスを3クラスにした田舎の学校。
1月にしては雪は全然なくて、スキー授業が無くなるかな?なんてみんな期待していた。
そんな中、生徒会は毎日玄関に立ってあいさつ運動を行っている。
ちらちらと雪が降る、息が白いそんな朝だ。
「もう、7時55分なのに今日も会長いないね」
「ねー。学校には来てるのに意味わかんないよね」
私は隣で女子副会長の夏と書記局の菜々が話していた。
現在の時刻は7時55分だ。
あいさつ運動開始の時間である。
毎度のことながら会長は学校には来てるのに出て来ない。
「だってあの会長だし」
私も二人に相槌をうつ。
あいさつ運動を強制的にやってもらいたい訳ではないけれど、声をかけても会長は無視して出てこようとはしないから。
先生が声をかけても直す気は無いらしい。
「「まぁ、ねー」」
二人共バッチリなタイミングだ。
実際、会長は先生に言われて会長になった。
だからかは知らないが仕事はしないでおしゃべりばっかり。
しないぶんの仕事は私がやっていた。
そんな会長を見てなんでこの人会長になったんだろうって思う。
きっとこう言う。
いや、実際に言っていた。
『やりたくなかったけど先生がやれって言ったから、会長になった』