君色ボイス
それから3週間が経った。でも、私はあの日から学校に行っていない。それは、誠司くんのことではない。あの日かかってきた1本電話が原因だ。







『それでね突然だけど………ママのところに来ない?』

「…え?」

突然すぎて、言葉の意味を理解するのに1分はかかった気がする。

「ママ、今どこにいるの?」

『…大阪よ。パパからね、和沙が声優を目指してるって聞いたの。こっちにね、声優になるための有名なスクールがあって。それで、こっちで勉強してみない?』

私の夢のために…でも、瑠璃子ちゃんや梓ちゃんと離れたくない。それに、誠司くんも……いや、悩んでる暇はない。こんなにも、夢に近づける道が近くにあるのに。

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