君色ボイス
え?だって、気づかなきゃこんな思いしなかったはずなのに。

「和沙ちゃんは、何も知らずに遠くに行ってたら、せいちゃんのこと忘れられると思ってるんでしょ。」

「うん?」

「でも、実際はそんなことない。そんな都合のいい話がある訳はない。離れちゃったら、もう終わりなんだよ…」

なんか、やけに現実味を帯びた言い方。それに華さん泣きそう?

「華さん、どうしたんですか?」

「あ、ゴメンね。実は私、イギリスに元カレがいるの。大好きだけど、親に反対されて、別れるしかなかった。そのうち彼がイギリスへ行っちゃって、後悔した。離れちゃったらもうおしまい。どんなに強く思って、伝えたくても何もできないんだよ。ホントにあの頃はまだバカだった。」

華さんに、そんなことがあったなんて…

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