君色ボイス
私のせいで、瑠璃子ちゃんと室橋くんが結婚しないなんて……そんなの、本当に恩知らずだよ!!

「もうすぐ始まるわね。」

「行こっか。」

私もそろそろ行くか。





「こっち!!」

会場に入ると、すぐに誠司くんの姿を見つけた。

「どう?大丈夫?」

「うん。今のところは梓ちゃんのお母さん以外にはバレてないよ。」

「それならよかった。もう始まるから。和沙は俺の隣な。」

私が席に着いた瞬間、会場の電気が消えた。

「ただいまから、辻岡輝、梓の結婚披露宴を始めます。本日の進行は、室橋琉麻が務めさせていただきます。それでは、新郎新婦の入場です。」

開いた扉の向こうにはあの頃よりも、ずっと男らしくなった辻岡くんと、真っ白なドレスを着た綺麗な梓ちゃんがいた。2人とも、すっごく幸せそう。

「そういえば、あいつらには俺のダチが結婚式の取材したいそうだから、和沙のための席、使わせてもらうって言ったんだ。だから、発表までは顔見せんなよ。」

「OK。絶対成功させようね。」

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