君色ボイス
「…分かった、誠司くん。」

「分かったんなら、もっと近づけ。」

「いいよ…誠司くんが勉強した後にね。」

「なっ!」

これも最近分かった。誠司くんは人をからかうことは好きだけど、その上を越えられたら、何も言い返せないんだよね。勝利した気分で誠司くんの反応を見てると、突然誠司くんは立ち上がった。

「な、なに!?」

「分かった。勉強する……だから、和沙が手取り足取り教えてよ?」

そう言われ、悔しくて逃げようとすると、誠司くんは私の手首をとった。

「離してっ!!!」

「離したら、和沙逃げるじゃん。」

「当たり前でしょ!早く離してよ!」
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